「松平直政初陣図」とは、のちに松江藩松平家初代藩主となる松平直政（1601-1666）の初陣を描いた図です。
直政は、徳川家康が大坂城の豊臣秀頼を攻めた「大坂冬の陣」で、兄の忠直のもと、初陣を果たしました。その時、直政はわずか14歳という若さでした。直政の母の月照院は、初陣に出る直政を励まし、名香を懐に入れさせ、その名が後世に薫るようにと願ったことも伝わっています。初陣での直政は、1人で先駆けして真田丸に攻め寄ろうとし、人々を驚かせたといい、これに感じ入った真田幸村が軍扇を直政に投げ与えたという伝承があります。

この初陣の直政を描いた「松平直政初陣図」は、幕末の松江藩御用絵師の陶山勝寂による作品が数例現存しており、その他の画家による作例もあります。いずれもよく似た図様ではありますが、直政の顔や、馬、甲冑、真田丸の描かれ方など細部の表現は異なっています。

本展では、現存作例のうち２点を展観します。一見すると似ている２点ですが、細部の違いを見比べていただけると幸いです。

期 間	令和4年8月30日（火）～10月30日（日）
休館日	月曜日　※祝日の場合は翌平日
時 間	9:00～17:00　※観覧受付は16:30まで
場 所	基本展示室内最終コーナー
観覧料	基本展示観覧料に含む（大人510円、小・中学生250円）
備考