<ミニ展示>松江の木工―新収蔵品を中心に―

開催日:2023.09.26~2023.11.26ミニ展示

出雲地方の指物や木彫は、松江藩松平家7代藩主松平治郷(不昧)の指導を受けた名工・小林如泥(じょでい)によって大きく花開きました。
明治から昭和時代、如泥の技と美的感覚に感化された職人たちが各自技術を磨き上げ、美しい作品を多く残しています。不昧の美意識に沿い、その優れた技を発揮して制作された優品を紹介します。

桐橘透かし彫煙草盆(小林如泥作)

桑透かし彫刀掛け(小林如泥作)

小林如泥(1753-1813)は、不昧の命を受け木工細工に優れ職人技を見せた。この折畳み式の刀掛は腰板に富士見西行図を細く透し彫りする。近代木彫界の重鎮である高村光雲は如泥の細工を「その技、神技の如し」と称賛したという。

縞桐船底型手付煙草盆(堀越清峯作)

煙草盆は、煙管や煙草入れなど喫煙のための道具を収める箱のことで、本作は茶席に使われるもの。松平不昧のお好みの形で、柾目の嶋桐を四角く船底型に組み、把手と透かし模様、縁飾りに桑材を用いる。作者の堀越清峯は、堀越如応の長男で、近代出雲を代表する指物師の一人。本作は桐材の美しさと指物の技を発揮した優品で、近代における出雲地方の木工文化を示すものといえる。

期 間 令和5年9月26日(火)~11月26日(日)
休館日 月曜日 ※祝日の場合は翌平日
時 間 9:00~17:00
場 所 展示室前
観覧料 無料
備考