<企画展>旧制松江高等学校―松江で学び、暮らした学生たち―

開催日:2021.4.16~2021.6.27企画展

<<自由闊達、淞高生の青春>>

 旧制松江高等学校(略称は淞高)をご存知でしょうか。旧制高等学校とは、明治から昭和前期にかけて、帝国大学など旧制大学への進学のための予備教育を行った学校です。旧制松高は、松江ゆかりの人物たちの多大な尽力により、島根県で初めての、待望の高等教育機関として、今から100年前の大正9年(1920)に設置され、大正10年(1921)4月16日に初めての入学式が行われました。


旧制松江高等学校の本館と門。登録有形文化財である門は現在も島根大学の門として使われています。
(島根大学総合博物館画像提供)

旧制松高の卒業生には、松江市生まれで被爆の経験を記した『長崎の鐘』などで知られる医学者・永井隆(ながい・たかし 1908-1951)、雑誌「暮しの手帖」の編集長・花森安治(はなもり・やすじ 1911-1978)や、日本マクドナルドの創業者の藤田田(ふじた・でん 1926-2004)などがおり、各界の第一線で活躍する人物が多数、旧制松高から巣立っていきました。
全国から研究者や学生が集まり、学術研究や教育を担うという役割は、後身の島根大学に現在も受け継がれています。


文芸部が編集、発行した校友会雑誌。変形版のデザインが特徴的な20号は花森安治が編集しました。
(島根大学附属図書館蔵)

学生たちは自由の気風を尊び、自治の精神を持って日々勉強に励む一方、街に繰り出して大いに遊んだといいます。学生たちが暮らした松江の街が、彼らを育てたとも言えるでしょう。しかし、戦争の影が色濃くなると、次第に学生たちの暮らしや学びは脅かされていきます。
本展では、淞高生たちの学びや暮しについて、学生たちを翻弄した社会の情勢もまじえ、当時の資料を基に紹介します。そして大正・昭和時代の写真から、懐かしい松江の街のようすもお楽しみください。


本館の玄関に掲げられた校章は、淞高生たちを見つめつづけました。
(松江歴史館蔵)

<<山陰文化の中心たれ ――(初代校長・小松倍一の言葉)>>

期 間/令和3年4月16日(金)~6月27日(日)
休館日/毎週月曜日 ※ただし5月3日(月・祝)は開館、5月6日(木)は休館
時 間/9:00~17:00 ※観覧受付は16:30まで
場 所/松江歴史館 企画展示室
観覧料/大人500円(400円)、小・中学生250円(200円)
[基本展示とのセット券]大人800円(640円)、小・中学生400円(320円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校・大学・専門学校に通う学生は学生証の提示で団体料金適用

【松江北高生による音声ガイドが楽しめます!】
前身が旧制松江中学で、旧制松高への進学者も多かった島根県立松江北高等学校。放送部とコミュニケーション部の生徒の方々による特別音声ガイド(日本語・英語)をアプリ「ポケット学芸員」でお聞きいただけます。
*ミュージアム展示ガイド「ポケット学芸員」https://welcome.mapps.ne.jp/pocket/

CM

関連イベント

企画展「旧制松江高等学校」のみどころ

講師/藤岡奈緒美(当館学芸員)
日時/4月18日(日)14:00~15:00
場所/松江歴史館 歴史の指南所
定員/60人 ※要申込、先着順
料金/無料

淞高の創設に関わった松江の人々

講師/新庄正典(当館主任学芸員)
日時/5月16日(日)14:00~15:00
場所/松江歴史館 歴史の指南所
定員/60人 ※要申込、先着順
料金/無料

申し込み/松江歴史館 TEL0852-32-1607

ギャラリートーク

学芸員による解説を聞きながら展示をご覧いただけます。
日時/4月24日(土)、5月9日(日)、6月13日(日)14:00~15:00
場所/企画展示室
※参加は無料ですが企画展観覧券が必要です

島根大学混声合唱団コンサート

旧制松江高等学校で愛された寮歌やみなさんも知っている楽曲を島根大学の混声合唱団が歌います
日時/5月15日(土)14:00~14:30
6月19日(土)13:30~14:00
場所/濡れ縁、暮らしの庭 ※雨天時は歴史の指南所
定員/先着50人程度 ※雨天時は先着30人
鑑賞無料

観覧者へ展覧会グッズプレゼント

展示期間中、毎日先着5名様またはSNSで「#松江歴史館」「#旧制松高展」を入れて投稿いただいた方に、展覧会オリジナルグッズをプレゼントします。
対象/企画展観覧者
*SNSの投稿画面と観覧券を受付にご提示ください

「旧制松江高等学校写真展in島根大学旧奥谷宿舎」

旧制松高時代に外国人教員が暮らした洋館で、当館企画展とのコラボ展示が開催されます。入館無料ですので、当館とあわせてご覧ください。

会期/令和3年4月17日(土)~6月27日(日)土・日・祝日のみ開館
時間/10:00~17:00
場所/島根大学旧奥谷宿舎[総合博物館分館](松江市奥谷町140)
※松江歴史館から徒歩9分、駐車場2台分あり
主催/島根大学総合博物館
共催/松江歴史館

図録

『旧制松江高等学校―松江で学び、暮らした学生たち―』

【発行】 令和3(2021)年4月
【サイズ】 A5縦 総64頁 251g
【価格】 1,100円(10%税込)
【コード】 ISBN 978-4-925122-70-2
【在庫状況】 在庫あり

ごあいさつ
目次
旧制高等学校とは
旧制高等学校と帝国大学の所在地
学制の変化
旧制松江高等学校とは
第一章 開学へのあゆみ
第二章 はじめての入学生
第三章 淞高での学び
第四章 淞高生の暮らし
第五章 淞高から島根大学へ
おわりに
アルバム
図録掲載資料一覧
主な参考文献
謝辞

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