ホーランエンヤとは

Pocket

松江ホーランエンヤとは

島根県松江市で行われる城山稲荷神社の式年神幸祭の通称。大阪府の天神祭り、広島県の厳島神社の管弦祭と共に日本三大船神事のひとつとされ、10年に一度行われます。

祭りの期間は9日間。城山稲荷神社から御神輿を船団でお運びする「渡御祭(とぎょさい)」と阿太加夜神社本殿にお迎えし、七日間の大祈祷が行われるその中日に櫂伝馬踊りが奉納される「中日祭(ちゅうにちさい)」、再び船団によって城山稲荷神社へと御神霊をお送りする「還御祭(かんぎょさい)」の3つの祭礼が期間中行われます。

渡御祭と還御祭は、五大地と呼ばれる地域の人々が一同に集まり、色とりどりに装飾された各地区の櫂伝馬船の総数は100隻以上にも上り、大船行列を作る壮大な姿が楽しめます。

直近では、令和元(2019)年5月18日(土)~26日(日)に開催されました。次回は2029年の予定です。

マップ

ホーランエンヤについて詳しい紹介リーフレット(PDF)

日本語 / Japanese
英語 / English
中国語 / Chinese
韓国語 / Korean
フランス語 / French

松江ホーランエンヤ伝承館とは

水の都松江ホーランエンヤは370年もの歴史のあるお祭りであり、10年に一度執り行われ、絢爛豪華な船行列や華麗な櫂伝馬踊りは、市の貴重な財産です。

伝承館はホーランエンヤの起源、歴史を紹介し、次世代を担う子ども達に保存伝承し、広く全国にホーランエンヤの素晴らしさを伝える拠点です。

2012年10月28日開館。

松江のホーランエンヤの記録選択について

松江のホーランエンヤは、令和3年(2021)3月11日付けで文化庁の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として選択されました。

「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」(以下、「記録選択」という)とは

重要無形民俗文化財以外の、無形の民俗文化財のうち、特に必要のあるものを文化庁長官が選択し、記録作成や保存、公開に関する経費の一部を文化庁が支援する制度です。国民の生活の推移を理解するうえで欠くことのできない、「風俗慣習」、「民俗芸能」、「民俗技術」のうち、重要なものを選択の対象とします。松江市所在の文化財では、「松江のホーランエンヤ」のほか「佐陀神能(さだしんのう)」と「蒼柴垣神事(あおふしがきしんじ)」が選択されています。

記録選択の内容

  1. 名称    松江のホーランエンヤ
  2. 保護団体  ホーランエンヤ五大地連合保存会
  3. 公開期日  5月中下旬(10年ごと)
  4. 文化財の内容
    松江のホーランエンヤは、城山稲荷神社(松江市殿町)の船祭で、10年に一度の式年祭において、華やかに飾られた大船行列が神霊をともない往還する。馬潟、矢田、大井、福富、大海崎の5地区は「五大地」と呼ばれ、神輿船の曳船となる櫂伝馬船を繰り出す。櫂伝馬船は、馬潟のものが最大で全長15メートル、幅3メートルで、片側が8丁櫂である。帆柱の先端に金色の宝珠を飾り、色とりどりの幟旗や吹流しをなびかせる。櫂伝馬船には総勢50人ほどが乗り込み、ホーランエンヤの舟唄や太鼓に合わせて船上で櫂伝馬踊りが奉納される。祭礼は、渡御祭、中日祭、還御祭の順で、9日間にわたる。初日の渡御祭では、10キロメートルほど離れた御旅所の阿太加夜神社(松江市東出雲町出雲郷)まで船渡御が行われる。船行列は、100艘以上の大船団による1キロメートルに及ぶもので、大橋川、中海、意宇川を進む。中日祭では、五大地の踊り手が車輪の付いた陸船に乗り換えて阿太加夜神社までの陸路を進む。還御祭では、阿太加夜神社を発して再び大船行列で進み、城山稲荷神社に戻る。
  5. 記録選択の理由
    船で神霊を神幸させる船祭は、全国各地に伝承されているが、松江のホーランエンヤは中国地方に伝わる大規模な船祭である。本祭礼は、水上の船渡御だけでなく、陸船による巡行がみられるように、複合的な船祭形態を有する。ホーランエンヤの唄にあわせた船祭は、日本海側や瀬戸内海の沿岸部にみられるが、本祭礼は、数多くの祭礼船が集団的に往還する船祭として注目される。また、式年祭の地域的様相を知る上で貴重であり、我が国の船祭の変遷を理解する上で重要である。

  • 【櫂伝馬船の水上渡御】

  • 【陸船の巡行】